IBM Intellistation Z Pro 6223シリーズ(FSB800MHz Xeonモデル)の分解について、分解方法が分からない、
難しいというメールを頂いたことがありますので、備忘録としてとりあえず掲載します。
非常に長くなりますが、お付き合いくださいませ。
分かりにくい点もあるかと思いますが、不明な場合はメール等でご質問ください
このケースは向って右側のパネルや取っ手はそう簡単には外れませんし、それを行わなくても分解、換装は可能です。
【★★注意!★★】
の部分はよく読んで、そのまま当方の指示通りご対応頂く方が賢明かと思います
それでは、スタート
(零)ケースファンについて
●6223ケースに付属する電源ファンは4個あります。
☆HDDベイ用8cmファン
☆ケース前面(CPU付近)に8cmファン×2
☆ケース下部(拡張スロット延長線上)に9cmファン
【★★注意!★★】
これらは全て超爆音ファンです。マザーボードを入れ換える際には交換することをお勧めします。
理由としては爆音だけではなく、ファンの消費する電流が非常に大きく、通常のマザーボードですと電力過剰で、
マザーボード側のファン電源端子が壊れます。
また、ケース後部には12cmファンも搭載可能ですので、全て1000rpm前後のファンに交換するだけでかなりの
エアフローが得られます。
(1)ケース側面パネルおよび前面パネルを外す。
●これは普通にケースを空け、マザーボードが見えるようにします。
また、その際にプラスチックのフロントパネルも外してください
(※1:フロントパネルは手前にツメがあるのでそれを外すだけです)
(※2:作業しやすいように、CPU上のカバー、各種ケーブルやHDD、
拡張カード、電源等を外した方が良いかもしれません)
(2)ケースフロントパネル側にあるマイナスネジ4箇所を外す。
●回転式のHDDベイがありますが、その下にある「L字型金具」を外す為です
(ケース一番したの9cm角冷却ファンの所の大き目の金具)。
●このマイナスネジはケース下(足の部分)とフロントパネル側のHDDベイ下あたりに「金色のマイナスネジ」が
4本あります。
●ついでにL字型金具に止まっている薄紫のプラスチック部品を外しておくと良いでしょう(ツメで止まってます)
(3)HDDベイを外す
●4本のネジを外すと、L字型金具が緩みます。そこでHDDベイを動かして外します。
この際、HDDベイを手前に引き起こしておくと良いでしょう。
●HDDベイはL字型金具とFDD搭載部分の3.5インチベイ部分に丸く穴(凹)があいていて、そこにHDDベイの凸部を
はめ込む仕様です
(4)L字型金具を外す
●L字型金具を見下ろした際に、ケース側の方に押し込む事のできる板バネ部分があります。
(マザーボードから見てケース前面部のボタン電池付近)
その部分をケースに押し込みながら、L字型金具をケース後ろ方向に少し無理矢理気味に引き抜きます
(板バネを押し込むとL字型金具がぐら付く筈です)
ここまで大丈夫でしょうか?この金具が外れた段階でマザーボードを
外す事が可能になります。
(5)CPUクーラーの撤去
●CPU(Xeon)のヒートシンクがネジ止めされているので外します。
シリコングリスがあまりに密着しているとCPUごと抜けてしまいますので、ご注意ください。
(6)マザーボードベース金具を外す
●CPUソケット上部にケースとマザーボードベースを止めている金色のマイナスネジがあるはずです。
これを外してください。
●ネジを外したら、先ほどL字型金具を外す時に押し込んだ「板バネ」部分を押しながら、マザーボードベースを
ケース前面側に引いてください。これでマザーボードがベース金具ごと外れます。
(7)マザーボードベース金具からマザーボードを外します。
●マザーボードを止めているネジ(黒いプラスネジ)を全て外します。そうするとマザーボードが外れます
(※:ベースの上下にある取っ手にマザーが引っかかりやすいので注意)
(8)マザーボードベース金具の加工【●●注意!!●●】
●マザーボードベースに電気的にショート(短絡)しない為の加工を施します。
●XeonCPUの止まっていた部分にプラスチック部品が2個ついた丸い板バネが2セットあります。
これを無理矢理ペンチか何かで引っ張って外してください
●このCPUソケット部分はネジ止め部分がマザーボードベースから飛び出した形状になっています。
この部分前面にガムテープなどを貼り付けて電気が流れないように絶縁します。
(9)新しいマザーボードの取り付け
【★★注意!★★】
●マザーボードベースにはネジ止め部分の円柱が6本あるはずです
◆ケース後部:3本(バックパネル部分2箇所、拡張スロット部1箇所)
◆ケース真中部:2本(ケース上部方向1箇所、ケース中央部1箇所)
◆ケース前方:1本(ケース下部方向、旧マザーのAdaptecSCSIチップ付近)
この6本は基本的にATX規格に沿ったネジ止め穴です。ですので、
そのままATXマザーボードをネジ止め可能です。
【★★注意!★★】
●但し、このネジ止め円柱は絶縁が甘いようです。
その為、何も考えずにネジ止めするとマザーボードがショートして正常動作しません(もしくは動作しても不安定になる)
対策の一例として、マザーボードを止める際に絶縁用の紙ワッシャーを取り付けます。
PC用ネジセットについているような茶色のワッシャーです。
多分、PCパーツ販売店で売っているPC用ネジセットにまとめて何枚か入っていると思います。
【図解】
T ← ネジ
==== ==== ←マザーボード
-- ←紙ワッシャー
U ←ネジ止め円柱
●上記図の用に、マザーとネジ止め円柱の間に紙ワッシャーを挟んで絶縁してください。
ちなみに絶縁できれば紙以外にゴムワッシャーなどでも対応可能です
(あまり厚みのあるワッシャーですとマザーボードが歪みます)
(10)マザーボードベース他ユニット類をケースに戻す
●先ほどとは逆の手順で戻していきます。
●なお、一般的なATXマザーボードのバックパネルカバーは取り付け不可能です。この辺は諦めてください
(11)電源スイッチケーブル
●電源スイッチおよびUSB前面端子は簡単に流用可能です。
IEEE1394端子や音声端子はピンアサインを調べてないので不明です。
●電源スイッチ(LED等も)のケーブルは、ケース上部(スイッチ部)から降りてきている
「黄色・黒・赤・緑等の細いケーブルが攀じってあり、マザーボード側にツメのついた黒いプラスチック部品の付いた
ケーブル」が該当します。
【図解】上記ケーブル拡大図
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黒赤黒青黒黄黒黄黒緑黄黒
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☆☆←この部分の黒&黄色のケーブルが電源スイッチです
●他の端子にLEDが割り振られていると思いますが、当方では使用していない為、確認しておりません。
(
12)USB前面端子について
●ケース上部から降りてきている「灰色の皮膜で覆われたケーブルで、先端に黒いプラスチック部品のついたケーブル」が該当します。
●少々加工が必要です。そのままでは一般マザーボードのUSB端子には挿せません。
【図解】
USBケーブルのプラスチック部分を裏から見ると”たしかこんな感じ?”
ですが黒い部分がケーブル、白い部分が挿し間違い防止の部品があります
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↑ この白い部分を抜き取ります。
針やクリップなどの細い物を逆側から押し込めば抜けます
●上記加工後、ASUSTekの「Q-CONNECTER」の様なUSB差込用コネクタがあると非常に便利です。
これに上記USBケーブルを差し込んだ後にマザーボードのUSB端子に差し込みます
●USBコネクタのピンアサインは一般的なケースと同様です。
赤ケーブルが電源(+5Vとか書いてある)側、黒がGND側です。
(13)電源ユニットについて
●6223に付属する電源ユニットは550Wのものですが、電源OFF時(コンセントにつないでいるだけで)でも
ファンが回転する仕様のものです。
決して悪い物ではありませんが、交換した方が静かです。
●交換する場合、6223ケースの電源ユニット固定部は通常のATX電源とは若干サイズが違って大きいです。
(と言いますか、電源ユニットサイズが大きい)
●通常のATX電源も搭載可能です。但し、
☆ネジ止めが電源ユニット下部側の2箇所しか止められません。
☆電源によっては固定部の金具を少し折り曲げる必要がある
どちらの問題も少しの工夫で回避可能です。
●当方ではCorsairの電源を搭載しています(HP参照)。
以上、長くなってしまいましたがIntellistation Z Pro分解方法でした。
写真を掲載すると分かりやすいとは思いますが、とりあえず文章だけでもと思いましてー。
また、何か次のPCネタがありましたら掲載します。
2010.09.20 - Intellistation Z pro 6223シリーズ分解方法